中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨です。
現金をデジタル化したもので、2025年現在、世界の93%の中央銀行が導入を検討しています。
以下に主要な特徴と動向を解説します。
目次
基本定義
- 3つの条件:
- デジタル化されている
- 法定通貨建て(円・ドルなど)
- 中央銀行の債務として発行
- 種類:
▸ ホールセール型:金融機関向け大口決済用
▸ 一般利用型:個人・企業向け小口決済用(現金代替)
導入背景
要因 | 内容 |
---|---|
民間デジタル通貨の台頭 | リブラ(現ダイム)構想への危機感17 |
キャッシュレス化 | 現金流通量減少への対応(スウェーデンなど)1 |
金融包摂 | 銀行口座未保有者への決済手段提供16 |
通貨主権確保 | 他国CBDCや民間通貨の浸透阻止17 |
主要国の動向(2025年2月現在)
- 中国:デジタル人民元を北京五輪前から試験運用
- EU:デジタルユーロの2025年後半導入決定予定
- 日本:実証実験継続中(発行未定)
- バハマ/カンボジア:世界初の全国展開済み
メリット
- 24時間決済:現金と同等の利便性
- 流通コスト削減:現金の印刷・管理費節約
- 犯罪対策:資金流動の追跡可能
課題
- 金融システムへの影響:
▸ 銀行預金流出による信用創造機能低下
▸ デジタル取付け(資金移動の暴走)リスク - 技術的課題:
▸ オフライン決済機能の実現
▸ プライバシー保護と監視のバランス
日本特有の状況
- 現金優位性:偽造少なく流通量増加
- 実証実験内容:
▸ 二段階発行(中央銀行→民間機関経由)
▸ ブロックチェーン技術の応用検証
暗号資産との違い
スクロールできます
項目 | CBDC | 暗号資産 |
---|---|---|
発行主体 | 中央銀行 | 民間 |
価値保証 | 法定通貨と等価 | 需給で変動 |
匿名性 | 取引追跡可能 | 匿名性高い |
今後はメタバース経済やAI決済との連携が期待されますが、日本では現金の信頼性が高いため、導入には国民合意形成が鍵となります。